私道のデメリットとリスクとは?私道負担があることのメリット・デメリットまとめ。
私道のデメリットやリスクとは?私道負担があることのメリット・デメリットとは?
詳しく解説します。
私道の一般的なデメリットとリスクについて
公道に面した土地と比べると評価が低い
私道には個々の要因によるデメリットやリスクがあり、それが不動産の販売価格や評価に影響するケースも少なくありません。私道に面した土地は、公道に面した土地よりも売却価格や評価が低くなるケースが多いです。私道には少なからずネガティブな印象があります。
私道の維持・管理に関しての費用
私道の維持・管理は、私道の所有者の負担となります。公道の場合は所有者の負担が存在しないので、公道と比べるとデメリットになります。なお、地方公共団体が維持管理費を補助・助成する場合もありますが、ほとんどの場合、私道所有者全員の同意が必要です。
私道利用に関する迷惑行為
私道は私有地であるという意識が強く、私道部分に物を置いたり、自転車やオートバイ、自動車を駐車する人が多いのですが、これは他の利用者にとって迷惑なことです。また、門やフェンス、建物の一部、樹木の枝葉などが私道部分に越境しているケースもあります。私道の所有者、共有者、利用者の話し合いで改善される場合もありますが、話し合いで解決できない場合は、紛争に発展することもあります。
私道を公道に譲渡するケースの労力と費用について
私道を公道に譲渡するケースがあります。その場合、私道所有者全員の同意、私道部分を譲渡するための整備、私道部分の分筆、抵当権等の一部抹消などの費用・時間・労力が必要となります。また、私道を公道に移したいと思っても、移せない場合もあります。
私道用地所有者のデメリットについて
私道使用の同意・承諾の必要性
私道の使用には、私道の敷地所有者の同意が必要なため、私道の敷地所有者は、私道を所有し続ける限り、私道使用者から「私道の使用に関する同意」を得ることが必要となります。これは、人によっては心理的な負担と考えられます。承諾料を取得する場合には、メリットもなります。
私道敷地内で発生した事件・事故に対する所有者・管理者の責任
私道の所有者は、私道を維持したり、管理する責任を負っています。道路が陥没したり、舗装にひびが入ったりした場合は、それを補修する義務があります。私道の敷地内で事故が発生した場合、私道の所有者や管理者が責任を負うケースがあります。
私道の共有のデメリットとリスクについて
私道の共有者による合意に至ることが困難な場合
私道の維持・管理などについて、各共有者が単独で決定できないケースは多々あります。また、共有者全員の合意が必要な事項でも、反対者がいるために決定できないケースもあります。これは、共有者のデメリットであり、リスクでもあります。
私道持分を持たない私道利用者のデメリットとリスクについて
私道財産所有者との関係で不利になる
私道持分を持たない私道利用者は、私道敷地所有者に私道の使用に関する同意や合意を求める立場にあり、心理的に不利な立場にあります。
私道の使用に関して私道敷地所有者から同意を得なければならない場合、同意を得ること自体がデメリットとなります。また、必要となる同意が得られないというリスクもあります。
私道のない宅地を売却する場合、建築基準法上の道路であっても、私道所有者の通行や掘削に関する承諾書がないと売却が困難な場合が多いのです。そして、場合によっては、融資を受けることができないこともあります。
私道の持分不足の懸念
私道は原則として私有地であり、所有者に帰属するため、私道の利用者は私道の利用について同意や承諾を得ることが必要です。必要な同意が得られないとトラブルになり、紛争に発展するとストレスになります。
私道負担があることのメリット・デメリット
私道がある土地には多くの問題がありますが、私道があることで得られるメリットも存在しています。
私道負担があることのメリット
- 私道は静かで安全な道路にすることができる
- 私道の所有者は、自分の権利に満足しやすい
- 私道の負担部分は、所有者のみに帰属する
- 原則的に所有者の許可なくして誰も通れないし、通行料を取るのも所有者の自由である
- 近隣住民に許可を与える立場であり、優越感が保証される
- 私道の奥の土地に第三者が建物を建てようとすると、私道の下に水道管などのインフラ設備を敷設しなければならない場合がある
- 工事を進めるには、私道の所有者の許可を得るか、事前に承諾料を支払う必要がある
- 土地を売却する際には、私道を含む土地の売却益を得ることができる
私道があることで得られるデメリット
- 道路の補修が必要な場合、所有者がその費用を負担しなければならない
- 一般的に費用は分割払いなので、負担は軽くなるが、意見が対立するなどの問題も生じる
- 道路である以上、他人の通行を完全に防ぐことは困難である
- 通行権をめぐって近隣住民とトラブルになることも少なくない
- 特に、私道の共同管理者が複数いる場合は厄介である
- 私道がセットされていることを知らずに、敷地部分のみを売り渡す場合が多い
- 実際に利用できる敷地面積が少なくなっても、経済的負担が発生する
- 私道は個人の所有物なので、固定資産税がかかる
福山不動産も、不動産についてのご相談を承っております。
お客様の参考材料となれれば幸いです。いつでもお気軽にお問い合わせください。