【中編】広島県福山市の観光について徹底解説!

こちらの記事では、広島県福山市の暮らしを観光の観点から分析していきます。
前回の記事では、福山市の必訪スポットについて解説しました。前回の記事はこちら。

今回も前編に引き続き、福山市の観光について解説していきたいと思います。前編と中編(本記事)では、広島県内の観光の動向について解説したのち、広島県福山市の観光スポットについて解説しています。
特に、前編では福山市の有名観光スポット、中編では今後インバウンドを中心に注目が集まる可能性がある観光スポットについて紹介します。後編では、福山市の観光をRESAS(地域経済分析システム)というツールを用いて分析します。
福山市とは

福山市は、広島県東部に位置し、岡山県との県境に隣接する中核市です。古くから瀬戸内地域の交通・物流の要衝として発展してきた歴史を持ち、城下町としての風情を残しながらも、産業や文化の中心地として独自の魅力を形成しています。
また、近年は「鞆の浦」をはじめとする歴史的景観や、「バラのまち」として知られる都市ブランドの発信など、観光資源の磨き上げにも力を入れています。こうした背景から、福山市は“ものづくりのまち”としてだけでなく、“人が訪れるまち”としての価値を高めつつあります。
前編ではまず、福山市を代表する観光スポットを通して、まちの魅力を再確認していきましょう。
福山市のインバウンド事情を分析

後編で詳しく解説していきますが、日本を訪れるほとんどのインバウンド観光客は、東京・大阪・京都・富士山周辺地域を訪れています。また、最近では北海道、石川、広島などにも注目が集まっています。ちなみに、2024年の広島県の外国人観光客数は420万人を超えますが、そのほとんどが広島市を訪れているようです。
現在の日本のインバウンド旅行客は訪れる場所を選ぶ際に、日本らしさ(より厳密に言えば京都らしさ)があるかを重視している傾向があります。例えば、2024年に行われた、ブッキング・ドットコムのアジア太平洋地域の旅行者が注目する最新の旅行先(海外)10選では、3位から10位は全て日本が独占していますが、3位で選ばれたのは、江戸幕府の直轄地「天領」の一つとして栄えた豆田町の伝統的な街並みで有名な大分県日田市、10位には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された塩田津や嬉野温泉で有名な佐賀県嬉野市が選ばれています。現在の京都は、オーバーツーリズムによる影響で有名観光スポットは軒並み混雑している状況の中で、「リトル京都」とも言える街並みを楽しむことができる地域に注目が集まっています。
この状況を踏まえると、広島県福山市は観光面で非常にポテンシャルがある地域であると言えそうです。福山市には、前編で紹介した福山城や鞆の浦など、シンボリックな建築物や古い街並みが残っています。加えて、JR福山駅が新幹線の停車駅であることも非常に大きな強みです。現在注目が集まっている広島県広島市から福山市までは、最速で約20分、新大阪駅から福山市までも約1時間で結ばれています。これらを踏まえると、日本らしさを落ち着いて楽しみたいと考えているインバウンド旅行客に今後人気になっていきそうです。
今回は、そんなインバウンド旅行客に人気が出そうな観光スポットを幾つか紹介します。
福山市で今後注目の観光スポット
明王院

明王院は広島県福山市草戸町にある寺院で、宗派は真言宗大覚寺派です。
創建は大同2年(807年)と伝えられ、開基には弘法大師空海の名が挙げられています。その境内には、国宝に指定されている「本堂」と「五重塔」があり、建築・文化財として非常に価値が高い寺院です。本堂の墨書などから、現在の本堂が鎌倉時代末期に建立された可能性があると判明しています。五重塔は貞和4年建立とされ、全国でも古い形式の塔のひとつです。江戸時代、福山藩主であった 水野勝成 の庇護を受け、地域における祈願寺・城下寺院としての役割も担ってきました。
見どころは国宝に指定されている本堂・五重塔です。構造・様式ともに貴重な建築で、和様+唐様の折衷様式を採っており、現存最古級のものとされています。明王院は、草戸町の丘陵部に位置し、参道や境内からの眺望も良く、落ち着いた雰囲気の中で古刹の重みを体感することができます。特に冬の雪が積もった明王院の景色は壮観です。日本らしさを感じられる明王院は、今後注目が集まるスポットだと言えそうです。
草戸稲荷神社

草戸稲荷神社は広島県福山市草戸町1467に鎮座する稲荷神社で、創建は平安時代の大同2年(807年)とも伝えられ、明王院の鎮守として祀られたのが始まりともされています。
また、京都の伏見稲荷大社系列の「日本稲荷五社」のひとつに数えられることもあり、初詣の参拝者数も非常に多く、地域を代表する神社です。草戸稲荷神社は、明王院の開基・弘法大師とされる空海が、同寺の鎮守として祀ったという伝承があります。かつては芦田川の中州に鎮座していた時期があり、“草戸千軒”という港町の繁栄とともに発展してきました。洪水や移転を経て、江戸時代には福山藩主水野氏が社殿の造営・遷座を行ったといわれています。初詣参拝者数は約40万人とも言われ、広島県内でも指折りの参拝客を誇ります。
見どころは、美しい朱塗りの本殿+高所からの眺めです。社殿は朱色が鮮やかで、階段を登ると福山市街や芦田川を一望できる展望スポットとしても知られています。日本らしさを感じられる観光スポットとして、今後人気が出るかもしれませんね!
まとめ

いかがでしたでしょうか。次回の後編の記事では、福山市の観光について、データを用いて解説していきたいと思います。
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