福山市の産業について徹底解説!

こちらの記事では、広島県福山市の産業構造やものづくりの歴史についてわかりやすく解説していきます。
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目次

福山市とは

広島県福山市は、瀬戸内海の中央、広島県東部に位置する備後地方の中核都市です。古くから海上交通の要衝として栄えてきた歴史があり、その地理的優位性と歴史的背景から、多様で重層的な産業基盤を築き上げてきました。瀬戸内の温暖な気候や豊かな自然にも恵まれ、江戸時代から続くものづくりの伝統は、現在まで続く多様な産業へと受け継がれています。

本記事では、福山市の産業の歴史や、現在の産業構造について解説していきます。

福山産業の礎を築いた伝統産業

福山のものづくりの歴史で、特に注目すべきは江戸時代に誕生した産業です。

福山藩の殖産興業政策により、福山市ならではの産物が次々と生まれ、いくつかは全国にその名が知られるようになりました。

現在も有名な、福山市の特産品をそれぞれ解説していきたいと思います。

備後絣(びんごがすり) 

藩主・水野勝成が塩分に強い綿花の栽培を奨励したことから、木綿の生産が盛んになりました。

これを元に、富田久三郎が紺地に白の模様を織りなす「井桁絣」を考案します。肌触りが良く丈夫な備後絣は、日本三大絣の一つに数えられ、一時は全国の絣生産量の約7割を占めるほどに発展しました。

この織物技術が、後の繊維産業、そして現代のデニム生産へと繋がっています。

福山琴(ふくやまこと)

江戸時代初期に始まった琴作りは、その優れた製作技術により全国に福山琴の名が知れ渡ることになりました。

材料には最高級の桐材を使用しており、原木の選定からはじまる製造工程のほぼ全てが、熟練の職人による手作業で行われています。

現在、福山琴は全国生産量の約7割を占め、楽器としては初めて、国の「伝統的工芸品」に指定されました。

松永下駄(まつながげた)

塩田で栄えた松永では、塩の輸送で使われた北前船が持ち帰った木材を利用して下駄作りが始まりました。

明治時代には機械化による大量生産に成功し、「下駄のまち」として大きく発展し、かつてはゲタを題材にしたイベントも開催されていました。

現在も、年間約80万足の下駄を生産しています。

備後表(びんごおもて)

室町時代から続く高品質ない草を使った畳表です。年月と共に美しい黄金色に変わるのが特徴で、備後地方の特産物として知られています。

かつて、宮中や幕府の献上品にも選ばれ、2007年度には内閣総理大臣賞を受賞した、福山市を代表する特産品の一つです。

日本を支える重化学工業と多様な製造業の集積地

福山の産業構造を大きく変えたのが、1961年の日本鋼管(株)福山製鉄所(現・JFEスチール(株)西日本製鉄所)の進出です 。これにより、臨海部には日本最大級の鉄鋼コンビナートが誕生し、福山市は日本の基幹産業を支える重要な拠点となりました 。

製鉄所の進出により、関連企業が次々と福山市に進出するなど、人口増加や都市化が促進されました 。

次に、現在の福山市の製造業の状況について、解説していきたいと思います。(参考:統計ふくやま2020年度版)

製造品出荷額を見ると、総額約1兆7,630億円のうち、鉄鋼業が約42%を占め、圧倒的な存在感を示しています 。次いで食料品(9%)、はん用機械器具(8%)、電気機械器具(7%)と続きます。

事業所数を見ると、最も多いのは繊維工業(15%)で、備後絣などの伝統産業で培われた産業基盤が今なお続いていることがわかります。続いて生産用機械器具(14%)、金属製品(13%)となっており、ものづくり企業の裾野の広さがうかがえます。

従業者数で見ると、鉄鋼業(15%)、生産用機械器具(11%)、食料品(10%)の順で多くなっており、これらの産業が地域の雇用を支える重要な柱であることがわかります 。

福山市は鉄鋼業を中核としながら、伝統的な繊維業から機械、食品、電子部品に至るまで、多種多様な工場が集積する「ものづくりの町」として発展を続けています。

まとめ

現在の福山市の産業は、江戸時代から受け継がれる伝統工芸の技と、戦後の高度経済成長期に築かれた重化学工業という二つの大きな土台の上に成り立っています。備後絣から発展した繊維業、全国一の生産量を誇る福山琴、そして日本のものづくりを根幹から支える鉄鋼業など、魅力的な産業が多数存在しています。

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