【後編】広島県福山市の観光について徹底解説!

こちらの記事では、広島県福山市の暮らしを観光の観点から分析していきます。
前回の記事では、福山市の必訪スポットについて解説しました。前回の記事はこちら

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今回も前編に引き続き、福山市の観光について解説していきたいと思います。前編と中編(本記事)では、広島県内の観光の動向について解説したのち、広島県福山市の観光スポットについて解説しています。特に、前編では福山市の有名観光スポット、中編では今後インバウンドを中心に注目が集まる可能性がある観光スポットについて紹介します。後編では、福山市の観光をRESAS(地域経済分析システム)というツールを用いて分析します。

目次

福山市とは

福山市は、広島県東部に位置し、岡山県との県境に隣接する中核市です。古くから瀬戸内地域の交通・物流の要衝として発展してきた歴史を持ち、城下町としての風情を残しながらも、産業や文化の中心地として独自の魅力を形成しています。また、近年は「鞆の浦」をはじめとする歴史的景観や、「バラのまち」として知られる都市ブランドの発信など、観光資源の磨き上げにも力を入れています。こうした背景から、福山市は“ものづくりのまち”としてだけでなく、“人が訪れるまち”としての価値を高めつつあります。

RESAS(地域経済分析システム)とは

後編の分析で使うRESAS(地域経済分析システム)とは、内閣府と経済産業省が中心となって2015年に公開したデータ分析プラットフォームです。正式名称は「地域経済分析システム(Regional Economy and Society Analyzing System)」で、日本全国の自治体や研究者、企業、市民が利用できる オープンデータの可視化ツール として整備されています。

地域活性化や政策立案を支援する目的で、人口、産業、雇用、観光、地方財政などの多様なデータを地図やグラフ上で直感的に把握できる点が特徴です。

RESAS 地域経済分析システム
RESAS 地域経済分析システム 地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、地方創生の様々な取り組みを情報面から支援するために、経済産業省と内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局が提供...

後編では、地域経済分析システムRESASを用いて、福山市の観光について分析していきます。

日本人宿泊者の動向:大都市圏と近隣からの誘客が中心

【居住都道府県別構成比(2024年・福山市)】 

参考:https://resas.go.jp/tourism-guest/?pref=34&city=34207&tab=1&year=2024&level=pref&lat=34.66258150231496&lng=133.6473083496094&zoom=9&opacity=0.8&sort=0&displayMethod=1&displayCategory=11

福山市への宿泊者の居住地を見ると、以下の傾向が顕著です。

  • 第1位:東京都 (13.64%)
  • 第2位:広島県 (13.09%)
  • 第3位:大阪府 (10.61%)

東京からの宿泊客がトップであることから、新幹線停車駅(のぞみ一部停車)という利便性を活かしたビジネス需要や遠方からの観光需要が高いことがうかがえます。一方で、広島県内や近隣の大阪・兵庫・岡山からの宿泊も多く、マイクロツーリズムや近距離移動の拠点としても機能しています。

【推移(2013年〜2024年)】 

参考:https://resas.go.jp/tourism-guest/?pref=34&city=34207&tab=1&year=2024&level=pref&lat=34.66258150231496&lng=133.6473083496094&zoom=9&opacity=0.8&sort=0&displayMethod=1&displayCategory=11

時系列データを見ると、コロナ禍(2020〜2021年)で広島県外からの旅行需要は急激に落ち込みますが、旅行業界の支援政策などの影響か、広島県民(緑の折れ線)の宿泊数は高い水準で推移しています。、2022年以降は東京都(青の折れ線)など県外からの客足がV字回復し、再び県外・遠方からの流動が戻ってきていることが分かります。

インバウンド(外国人)の動向:欧米豪が主力

※提供データは「広島県」全体のものであるため、福山市もこの広域トレンドの影響下にあると仮定して考えています。

【国・地域別構成比(2024年・広島県)】 

参考:https://resas.go.jp/tourism-guest/?pref=34&city=34207&tab=2&year=2024&level=pref&lat=34.66258150231496&lng=133.6473083496094&zoom=9&opacity=0.8&sort=0&displayMethod=1&displayCategory=11

参考:https://resas.go.jp/tourism-guest/?pref=34&city=34207&tab=2&year=2024&level=pref&lat=34.66258150231496&lng=133.6473083496094&zoom=9&opacity=0.8&sort=0&displayMethod=1&displayCategory=11

広島県全体のインバウンド客層は、アジア圏よりも欧米豪の比率が非常に高いのが特徴です。

  • 第1位:アメリカ合衆国 (20.87%)
  • 第2位:オーストラリア (11.67%)
  • 第3位:台湾 (11.08%)
  • 第4位:フランス(6.48%)

「平和記念公園(原爆ドーム)」や「宮島」といった世界的知名度の高いコンテンツを持つ広島県は、欧米からの観光客に強い人気があります。 福山市は京都・大阪方面から広島市へ向かうゴールデンルート上に位置するため、こうした欧米客の立ち寄りや宿泊需要(特に「鞆の浦」や「福山城」など)を取り込むポテンシャルが高い市場環境にあります。 2024年の推移グラフを見ても、アメリカ(青線)からの旅行者が急激に増加しており、コロナ前の水準を超えて成長している様子が見て取れます。

宿泊客の属性と回復状況

【属性別推移(広島県)】

参考:

RESAS 地域経済分析システム
宿泊者分析 - RESAS 地域経済分析システム 指定地域への宿泊者がどの地域から多く来ているのか、性別、参加形態別、宿泊日数別の延べ宿泊者数などで表示します。

宿泊者総数の推移を見ると、2019年をピークにコロナ禍で大きく落ち込みましたが、2022年から2024年にかけて順調に回復しています。

性別構成を見ると、 男性(黄色)と女性(緑色)の比率は、やや男性が多いものの比較的バランスが取れています。ビジネス客(男性多め)と観光客の双方が稼働している証拠と言えます。全体ボリュームを見ると、 2024年の数値は、ピーク時の2019年に迫る勢いを見せており、観光産業の復調が明確です。

観光エリアの分布:駅周辺への集中

【地図データ(福山市中心部)】

参考:

RESAS 地域経済分析システム
観光地分析 - RESAS 地域経済分析システム 全国各地の観光地情報と事業所情報と滞留人口の3つのデータを掛け合わせて表示します。

 地図上のアイコン分布からは、駅周辺への宿泊施設の集中が見てとれます。 宿泊施設(ベッドのアイコン)のほとんどが、福山駅周辺に高密度に集中しています。また、駅のすぐ北側に「福山城」や「博物館・美術館」があります。

「駅を出てすぐ観光ができる」というコンパクトさは福山市の強みでもあり、弱みでもあると言えます。移動時間を短縮したい観光客にとっては、新幹線ホームからお城が見えるほど、観光スポットが駅周辺に集中しており利便性が高いと言えます。宿泊施設も駅周辺に固まっているため、旅行中の拠点も駅周辺となる可能性が高いです。

一方で、駅周辺以外のエリアへの観光客の輸送や滞在を支援することが、市全体で観光需要の恩恵を享受するために重要です。特に「鞆の浦」や「尾道」など福山市には多くの観光資源があり、そこに行くための動線を確保することが必要になりそうです。

まとめ

今回は、3記事にわたって、福山市の観光について解説しました。
福山不動産では、不動産についてのご相談を承っております。
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