不動産の4つの方法査定!種類ごとのやり方を徹底解説
「家を売る前に査定した方が良いって聞いたけど、どんな査定方法があるの?」
「査定ってわざわざ不動産会社に行かなきゃできないのかな?」
こんな疑問を抱えていませんか?
不動産を売却するうえで査定はとても大切なものです。
しかしどういった査定方法があるのか、どの方法を選べばいいのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
そんな人のために、この記事では以下の内容を解説していきます。
- 不動産査定はそもそもどういうものか
- 査定をする理由
- 不動産査定の種類
- 査定額の算出方法
- 査定のために準備しておく書類
この記事を読むと、あなたに合った査定方法が見つかるはずです。
ぜひ最後までお読みください。
そもそも不動産査定とはなにか、査定をする理由は?
そもそも不動産査定とは、土地や物件がいくらぐらいで売れるか不動産会社などに算出してもらうことを言います。査定をする理由の多くは「適切な売却価格を知るため」です。
不動産を売却すると決めたら、その物件や土地に値段を付けなくてはいけません。
しかし売却相場に見合った値段を付けないと、買い手は付かずにずっと売れ残ったままになります。
そんな事態を避けるために、まず「どのくらいの値段だとこの不動産は売れるか」ということを知るために不動産査定を受けるのです。
不動産の4つの方法査定!種類ごとに徹底解説
不動産の査定方法は4種類あります。
それぞれ査定が分かるまでの流れ、料金、メリット、デメリットが違うので、自分の目的に合った査定方法を選びましょう。
- 机上査定(簡易査定)
- 訪問査定(詳細査定)
- 匿名鑑定
- 不動産鑑定
1.机上査定(簡易査定)
机上査定は査定する不動産のデータを参考にして算出する査定方法で、簡易査定とも言います。
立地条件や土地の大きさ、過去に取引された周辺の類似物件のデータなどが参考にされます。
不動産会社に直接出向く必要はなく、ネットや電話で査定を依頼することができるのでとても気軽です。
早ければ当日中に、遅くても2日ほどで査定額が判明するのも大きなメリットです。
しかし実際に不動産を見ることはなく対象不動産のデータと類似物件のデータのみで査定をするので、大体の査定額しか分かりません。
「まだ売却とかは決めてないけど、とりあえず物件の大まかな売却価格が知りたい」という人は、まずは机上査定を受けることをおすすめします。
- 机上査定(簡易査定)の流れ
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- 不動産会社に電話をして机上査定の依頼をする
- 担当者から聞かれる不動産情報を伝える
- 早ければ当日中に、遅くても2日ほどで査定結果が分かる
※ネットで不動産情報を打ち込んで査定依頼するパターンもあります。
- 机上査定(簡易査定)のメリット
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- 直接不動産会社に出向く必要がない
- 短い時間で査定額が分かる
- 無料で査定してもらえる
- 机上査定(簡易査定)のデメリット
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- 不動産情報のみで査定しているから、査定の精度は低い
2.訪問査定(詳細査定)
訪問査定は不動産会社の調査員が実際に出向き、物件と周辺環境を調査・確認して算出する査定方法です。
別名、詳細査定とも言います。
建物の状態、設備の手入れ具合、周辺環境など、書類では分からない細かい部分までチェックして査定するので、精度が高い査定結果になります。
しかし机上査定と比べて時間と手間がかかる方法です。
査定の日程を決め、当日は査定に立ち会い、結果が出るまで1週間ほど待たなくてはいけません。
さらに不動産会社から「これらの書類を持ってきてください」と言われ、公図や登記済み権利書などを用意しなくてはいけない場合もあります。
けれど精度の高さは魅力的なので、真剣に不動産売却を考えている人や、ある程度の時間が持てる人は訪問査定をおすすめします。
- 訪問査定(詳細査定)の流れ
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- 不動産会社に訪問査定を依頼する
- 査定の日程を決める
- 当日までに不動産会社から言われた書類を用意する
- 書類を渡し、30分~1時間ほど訪問査定に立ち会う
- 約1週間後に査定結果の報告を受ける
- 訪問査定(詳細査定)のメリット
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- 正確性が高い査定額が分かる
- 直接不動産の調査員に会えるから、質問や相談ができる
- 無料で査定してもらえる
- 訪問査定(詳細査定)のデメリット
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- 机上査定よりも結果が出るまで時間がかかる
- 調査員が訪問するときは立ち会わなければいけない
3.匿名査定
匿名査定とは、簡単な不動産情報のみで売却価格を算出する査定方法です。
その名の通り匿名で査定を依頼できることが大きな特徴です。
ネットの査定サービスで大まかな住所や築年数など簡単な概要を入力すれば、不動産会社の担当者が査定をしてくれます。
結果は申し込んでから最長2日で、メールで受け取ることができます。
AIが自動で査定額を算出するサービスもあり、AI査定といいます。
もしAI査定を利用した場合、瞬時に査定額を知ることができるので早さは随一です。
ただ査定の精度はかなり低く、ざっくりとした査定価格しか分かりません。
「査定価格は2500万~3000万」という風にかなり幅がある結果で、売却価格を設定するにはあまり役に立ちません。
本気で不動産売却を考えている人には不向きな査定方法です。
「売ることとか考えていないけど、自分の家のだいたいの価値を知りたい」「匿名で査定してほしい」という人には匿名査定は向いています。
ちなみに査定結果の通知のためにメールアドレスは入力する必要がありますが、不動産会社に知られることはありません。
- 匿名査定の流れ
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- 匿名査定のサイトを開く
- 査定してほしい不動産の情報とメールアドレスを入力する
- 査定額が送られてくる
- 匿名査定のメリット
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- 名前や電話番号が知られることなく、営業の電話がかかってくる心配がない
- 時間や場所に関係なく査定依頼ができる
- 早ければ瞬時に、遅くても2日で査定結果が分かる
- お金がかからない
- 匿名査定のデメリット
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- 査定の精度は低く、ざっくりとした査定価格しか分からない
- 匿名で依頼しているから不動産会社に質問や相談ができない
4.不動産鑑定
不動産鑑定は、国家資格を持った不動産鑑定士が不動産の適正な価値を算出します。
鑑定士が現地調査や資料の分析を行い、区役所や法務局などの公的機関へも出向いて鑑定評価を出します。
机上査定、訪問査定、匿名査定と比べて最も手間とお金がかかる方法です。
まず信頼できる不動産事務所を見つけることから始まります。
不動産鑑定士と不動産鑑定委託契約を結び、必要書類を用意します。
結果が出るまで1~2週間ほど待ち、鑑定結果の報告を聞いて不動産鑑定評価書を受け取り、鑑定費用を支払って完了です。
鑑定費用は不動産や内容にもよりますが、20万円以上かかると思って下さい。
また鑑定士から渡される「不動産鑑定評価書」は法的拘束力を持つ書類なので、無くさないように大切に保管しなくてはいけません。
不動産鑑定は「不動産の売れそうな価格」を算出するのではなく「不動産の正しい価値」を鑑定します。
なので不動産鑑定は売却を考えている人より、相続や財産分与のために利用する人が多いです。
- 不動産査定の流れ
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- 不動産事務所を選ぶ
- 鑑定士と不動産鑑定委託契約を結ぶ
- 必要書類を提出する
- 結果が出るまで1~2週間待つ
- 鑑定結果の報告を受け、不動産鑑定評価書を受け取る
- 鑑定にかかった費用を払う
- 不動産鑑定のメリット
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- 不動産の正しい価値を公的に証明できる
- 不動産鑑定のデメリット
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- 数十万円ほどの査定費用がかかる
- 鑑定結果が分かるまで時間がかかる
- 「不動産の売却相場」を知りたい人には向いていない
3種類の査定額の算出方法
不動産の査定額の算出方法は主に3種類あります。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
ひとつひとつ簡単に説明していきます。
取引事例比較法
取引事例比較法は、査定する不動産と似た条件を持ち、過去に売却された不動産の取引事例と比較して計算する方法です。
例えばAという物件の査定額を算出するとしましょう。
まずA物件の周囲にあって条件が似た5つの物件を選び、平均単価を計算します。
その平均単価にA物件の坪数を掛けて金額を出します。
出た金額に築年数や広さ、間取りなどを点数化して調整し、A物件の査定金額が算出されるという計算です。
取引事例比較法は、マンションや土地の査定で使われることが多い計算方法です。
原価法
原価法はまず今の建物を取り壊し、また同じものを建てた時どれくらい費用がかかるか計算します。その費用から築年数による価値低下分を割り引いて査定額を算出する、という計算方法です。
計算式は以下の通りです。
査定金額=再調達価格×延床面積×(残存年数÷耐用年数)
残存年数=耐用年数-築年数
※再調達価格は建物や査定する不動産会社によって異なります。
原価法は主に戸建ての査定で使われることが多い計算方法です。
収益還元法
収益還元法は、対象不動産を賃貸物件とした場合、将来どれくらいの利益を生み出すかに基づいて計算する方法です。
実は収益還元法には2つのタイプがあります。「直接還元法」と「DCF法」です。
「直接還元法」は対象の物件が出した1年間の利益を、周囲にある類似物件の還元利回りで割る方法です。
査定金額=年間純利益÷還元利回り
「DCF法」は対象の物件が将来生み出す利益と将来の売却価格を、現在の価格に割り引いて、その合計額を査定価格とする方法です。DCF法はより高い精度で査定できますが、計算が複雑で難しいことから多くの不動産会社が直接還元法を利用しています。
収益還元法は主に賃貸アパートや事業用店舗の査定で使われています。
査定のために準備しておく書類
査定を依頼すると、不動産会社から「これらの書類を持ってきてください」と求められることがあります。
不動産会社や査定の種類によって必要書類は異なりますが、この記事では必要となることが多い書類を紹介します。
- 必要となる書類
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- 本人確認書類
- 公図
- 不動産の登記済み権利書
- 固定資産税の納税通知書
- 耐震診断報告書(耐震診断を受けたことがある場合)
上記でも述べたように、不動産会社や査定の種類によって必要となる書類は異なります。
事前に準備しておく書類はないか、不動産会社に確認しておきましょう。
まとめ|不動産査定は複数の会社に依頼しよう
それでは、この記事のまとめです。
- 不動産の査定には4つの方法がある
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- 机上査定(簡易査定)
- 訪問査定(詳細査定)
- 匿名査定
- 不動産鑑定
- 算定額の算出方法は主に3種類ある
-
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
- 必要となる書類の例
-
- 本人確認書類
- 公図
- 不動産の登記済み権利書
- 固定資産税の納税通知書
- 耐震診断報告書(耐震診断を受けたことがある場合)
そして最後に、査定は複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。
いくつもの査定結果があると相場が把握でき、より適切な売却価格を設定することができるからです。
それぞれの不動産会社の対応を比較でき、信頼のできる会社を見つけることもできます。
福山不動産も、査定や不動産売却についてのご相談を承っております。
お客様の参考材料となれれば幸いです。
いつでもお気軽にお問い合わせください。